フラテッリ ジャコメッティは、イタリア北部のドロミテ、アルプスを眺めるVENETO(ベネト)地方に残る職人メーカーの自社ブランドです。F.LLI Giacomettiはハンドメイドシューズの文化を継承してきました。そして現在、この土地に残る唯一の紳士靴メーカーとして、世界マーケットに向け多くの一流ブランドの生産を担っています。手間をかけることを惜しまず、イタリア内外の高級タンナーとの太いパイプラインをいかしたクオリティーの高いマテリアル。マニアックな靴づくりは個性ある新世代にハンドメイドクラシックシューズを提案します。
創業は1890年代より祖父が始めたハンドメイドシューズに起源。その後、1940年代後半に父と2人の弟子と共に受け継がれ、メーカーへと発展しました。代表を務めるGiacometti兄弟も父から靴づくりを学び、経営の傍ら今尚工場内にて現場を仕切っています。兄Luiginoは仕上げラインと品質を管理し、靴学校のモデリスト(型紙)講師も務めた実績もある弟のRobertoは自社内縫製のコントロールを担当し、多くの技術者たちを束ねています。
*2024AWの撮影は履いた靴の写真と個人的な見解と手入れなどについて書いています。
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F.LLI Giacometti
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG611
木型:GRIGIA
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLO(CALF)
メンズゲージのフレンチカーフ。革色より濃いクリームとワックスを使用することで濃淡をつけて磨いてから下ろしました。日々の手入れは履く前のブラッシング、着用10回に1回くらいのペースで黒や焦げ茶のワックスで擦れ等をごまかして履いています。下ろす前にしっかり手入れをすることで革が柔らかくなり履き皺がカーフらしい細かな皺になりました。爪先が減ったので焦げ茶色のゴムで補修しています。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG503
木型:VIOLA
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLO (CALF)
イタリアらしい厚い仕上がりのダブルソールG.Y.製法。フランスの靴メーカーのW-Tipに感化されて下ろす前から爪先にスチールを付けました。スタイリングの楽しめる、気分の上がる一足です。黒or焦げ茶のワックス。履く前のブラッシング。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG610
木型:GRIGIA
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:CORDVAN
コードバン特有の大きく波打つような履き皺が出ています。裂く力に弱いため履き口の玉縁+ハトメから一層のカジュアルさを感じられます。オブリークトゥの木型とも好相性に感じられます。手入れは履く前のブラッシング。着用10回程でコードバン用クリームと黒のワックスを使用しています。爪先がウェルト下まで減ったので黒ゴムで補修しています。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG551
木型:TANINO
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLO(CALF)
フランス原皮のフレンチカーフ。美味しく柔らかい肉を食すために去勢された牛の皮です。近年、一層高価に貴重になってきています。履き口とライニングの間から覗くカンガルー革が佇まい良く見せています。ワイドなスクウェアトゥ、高めのヒールが裾幅の広いパンツと好相性です。下ろす前にライニングや中敷きにはアルガンオイルを指で薄く塗り、甲革に黒ワックスでしっかりと手入れしました。日々履く前のブラッシングが適度な艶を出しています。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG562
木型:ROSSA
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLO STAMPATO (STAMPED CALF)
カーフに型押しすることでスムースより硬くなります。そのため下ろす前の手入れは焦げ茶のクリームとワックスを念入りに使用しました。革より濃い色のクリームを使用することでハンドモカの味わいある仕上りが際立ちました。日々の手入れはブラッシングです。爪先の減りにゴムで補修しています。ゴムの補修は革と比べて減り辛く個人的に好みです。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG325
木型:ALBERTO
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLO STAMPATO (STAMPED CALF)
型押しがクラシックな雰囲気のフランスタンナー型押しカーフです。顔料で染色された革は擦り/引っ掻きキズは付きますが、ほぼ手入れいらず。個人的には小雨程度なら履いています。カンガルー革を覗かせた高級感ある製甲と、G.Y.製法の組み合わせが無機質な革にも愛着が湧きます。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG450
木型:ROSSA
製法:BOLOGNESE
甲革:CAVALLO CAMOSCIO
馬革のギン付きスエードを脱色して白くした革です。コーテイング(染めた)した白と異なり、汚れを吸い込みます。汚れを味わいとすることを前提にした革です。日々の着用の中で汚れた雰囲気が気に入っています。ボロネーゼ製法の履き心地も柔らかく快適ですが、地面が近いので長距離を歩くときは選びません。日々の手入れは着用5-6回で防水スプレーです。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG502
木型:VERDE
製法:GUARDOLO A MANO(hand sewn goodyear welted)
甲革:PITONE (PYTHON LEATHER)
高い技術を有した職人が手裁断で柄合わせしたダイヤモンドパイソン。雨の日でも履いていますが、水染みはできていません。鱗の先は捲れてきますが剝がれることはありません。牛革と同じく屈曲部は裂けてくると思いますが牛革より柔らかく、同等の強度と言われます。特にメンテナンスはしていません。服を着た後で困った時に便利な一足です。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG337
製法:GUARDOLO A MANO (hand sewn goodyear welted)
甲革:VITELLINO (CALF)
造語ですが、ナチュラル クリンピングと呼びたい履き皺に愛着があります。履くことで甲から足首にかけて足に沿った味わいある癖がついていきます。最小限の接ぎと高品質革との組み合わせが活かされていると感じられます。着用前のブラッシング、表面が荒れる前に黒クリームを使用しています。
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F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG564
木型:TANINO/TR
製法:NORVEGESE
甲革:VACCHETTA(VEGETABLE TANNING LEATHER)
植物性天然成分で作られたタンニンで鞣された牛革です。透明感のある色味が特徴です。個体差はありますが、履き皺は粗く入ります。日々の手入れは履く前のブラッシング。水染みが出来易い革なので、撥水の為に茶色のワックスを使用しています。その際にノルベジェーゼ糸にもワックスを使用します。爪先の減りを革で補修しました。
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Marmolada
/ F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG568
木型:MARMOLADA Q
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:ELEFANTE
雨の日の使用頻度が高いチャッカーです。コバにコバインクやワックスを塗りながらノルベジェーゼ糸にも縫っています。防水スプレーは1/20回程度です。ヘビーオンスの太いデニムパンツをズルズルに擦り切れる程ハードに履きました。甲革も潰れたように思います。フッ素の防水スプレーは取れるので1/3~4回毎をお勧めします。
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Marmolada
/ F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG105
木型:MARMOLADA
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:STRUZZO (OSTRICH LEATHER)
オーストリッチは原皮自体も柔らかく丈夫なうえに、ケミカルに塗装された革なので雨の日にも履いています。下ろす前に防水の為に白クリームの後、ニュートラルのワックスを甲、ノルベ糸、コバにしっかり塗りました。鏡面仕上げの様に擦ると表面の色も取れるのでブラッシング程度にしました。捨て寸が短い木型Marmoladaはショーツとの相性も良く近年の変動の激しい天候に合わせて年間を通して重宝しています。
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Marmolada
/ F.LLI Giacometti
/ MENS品番:FG591
木型:CRISTIAN
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:VITELLO STAMPATO (STAMPED CALF)
夏の雷雨の予想される日はショーツに合わせて、冬の雪の日はタイツに合わせて履いています。雪用に開発されたソールSt.Moritzですが日本の雪ではVibramと大差なく思います。ソールが厚く仕上がるのは魅力です。下ろす前、定期的に黒ワックスを甲、ノルベ糸、コバに塗っています。UTAH CALFは型押しながらブーツのクリンピングもできる柔らかい革です。クリーム等は厚塗りしないようにご注意ください。
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F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG366
木型:LUIGINO DONNA
製法:GUARDOLO A MANO (hand sewn goodyear welted)
甲革:TEJUS
トカゲ革をはじめエキゾチックレザーは軽く柔らかいため女性にも履き易いようです。手入れはシーズン数回の黒ワックスと着用前のブラッシングをしています。雨天の着用はしていません。
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F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG490
木型:ROSSA DONNA
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:VITELLO STAMPATO (STAMPED CALF)
製法に影響されるソールの返りはボロネーゼ→マッケイ→G.Y.→ノルベの順に硬くなります。返りの硬い靴には靴下を履くことも1つのスタイルとしてお勧めしています。
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F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG375
木型:50650
製法:BLAKE(mackay process)
甲革:VITELLINO (CALF)
ブーツのクリンピングに適したカーフと、屈曲の柔らかいマッケイ製法は女性に適した組み合わせの一つだと思います。手入れは下ろす前の黒クリームと数回の着用でブラッシングです。履かない季節に修理屋にメンテナンス依頼は有効な手段です。
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F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG376
木型:50650
製法:BLAKE(mackay process)
甲革:VITELLINO (CALF)
履くことで甲から足首にかけて足に沿った味わいある癖がついていきます。肌理の細かいカーフ、切り口から覗くカンガルー革、丸く削られたベルト等の丁寧な仕事がクラシックブーツの佇まいに仕上がっています。手入れは下ろす前の黒クリームと数回に1度のブラッシングです。
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Marmolada
/ F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG506
木型:MARMOLADA Q DONNA
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:VITELLO(CALF)
クラシックカラーのフレンチカーフ。長期で手入れなく履かれていたため、撮影前にDK.BRNクリームを塗り刷毛掛けしました。古くはスキーブーツに使用されていたスクエアトゥですが、現代のスタイルに取り入れ易いフォルムです。
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Marmolada
/ F.LLI Giacometti
/ WOMENS品番:FG578
木型:MARMOLADA DONNA
製法:NORVEGESE TRECCIA
甲革:CAPRA(GOAT)
顔料で染められたフランスタンナリーの山羊革は濡れても変化が少ないため雨雪の日をメインに使用しました。雪用に開発されたソールSt.Moritzですが現代の雪用ソールには敵わないと思います。厚みと深い溝のクラシックな意匠から厚底、ボリューミーに上がり現代的に感じます。
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KASHURA
CROCHET BALLERINA HI/STRING BELT/BUCKET BAG -
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PHOTOGRAPHY:TAKU KASUYA